受賞作品展⽰ 作⽂部⾨
令和5年度(第60回)受賞作品

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文部科学大臣賞(高学年の部)

ゴミ出しはおもしろい

愛知県 岡崎市立梅園小学校 4年

杉浦 あおい

 ゴミ出しをきたないとか、めんどくさいとか、バツゲームみたいに言われるけれど、それがふしぎです。わたしは、毎週日よう日の夜のゴミ出しが大好きです。理由は二つあります。一つ目は家中のゴミを集める面白さ、二つ目は集めたゴミをすてにいく楽しさです。
 一つ目のゴミ集めは、家の中にゴミ箱が十二こあり、全部中身がちがうので、それが面白いです。最初は大学生のお兄ちゃんの部屋のゴミです。お兄ちゃんは今は北海道に住んでいるので家にはいませんが、ゴミ箱はいっぱいになります。なぜかというと、お姉ちゃんたちが勉強部屋として使っているからです。問題用紙や学校のプリント、問題集などの紙がいっぱい入っています。うらがきれいなプリントは、絵をかくために拾っておきます。中身が重すぎてゴミ箱がわれているけれど、紙ばかりなのできれいです。次はベッドの部屋です。ゴミ箱にはペットボトルやおかしのふくろなどがすててあります。たぶんお姉ちゃんたちがねながら食べたと思います。お父さんはいつもリビング以外の部屋で食べたり飲んだりするなと言っています。ずっと前にお姉ちゃんがベッドの上でおかしを食べながら本を読んでいるのがお父さんに見つかって、めちゃくちゃおこられていました。またお姉ちゃんがおこられるとかわいそうなので、今回のことはお父さんにはだまっておきたいと思います。でもお姉ちゃんも悪いところはなおした方が良いと思いました。次は中学校のお姉ちゃんの部屋です。ティッシュペーパーが山もりにすててあります。一まい一まいには少しだけクリームがついているだけで、すごくもったいないです。下の方には切ったかみの毛がたまっていることがあり、ドキッとすることがありこわいです。キッチンのゴミ箱には、おかしのふくろ、ヨーグルトのケースなど食べ物のふくろなどが多いです。リビングは、おかしのふくろ、新聞紙、手紙、ゆうびん物などいろいろなものがまざっています。ガムがすててあることもあります。ガムはゴミ箱にくっついて、のびるのでかたづけが大変ですが、ガムをすてるのは私です。みんなが集まる場所だからいろいろなものがすててあるのだと思いました。次は高校生のお姉ちゃんの部屋です。一番ワクワクします。いつも部屋がくちゃくちゃです。部屋の入りロでひっくり返っていたゴミ箱が一週間くらいそのままになっていることがよくあります。部屋に入るとタンスの引き出しがあいたままで階段みたいです。本だなのとびらもあいたままです。ソファーの上にはぬいだままの服がそのままになっていて、まるでダンスをしているみたいです。ペットボトルのお茶とシャンプーとかみの毛のスプレーがいっしょにおいてあり、よくまちがえないなと思います。ソファーの上にかざってあるテディベアは毛がボサボサで、よくお父さんがのらクマと言っています。そんな部屋のゴミ箱には、カンヅメやペットボトル、カイロ、かみの毛、グミ、やきいもなど入っていて、ひっくり返っています。見ていると、少し笑えてきます。お姉ちゃんがときどき、
「部屋にヤモリかいる」
と言っています。外とほとんど変わりません。みんなに見物して欲しいくらいです。お父さんがおこりながらよくきれいにそうじをしています。次はお父さんの部屋です。きれい好きのお父さんの部屋はとてもきれいです。いつもカーテンはしっかりとたたんでしばってあり、机の上のものはきちんと置いてあり、かたむいていません。つりざおも一本一本ならべてあります。ほこりもありません。ゴミ箱の中はルアーのケースやリールの箱がすててあることがあります。たぶん自分でこっそりすてるのをわすれて部屋のゴミ箱にすてたのだと思います。前にお母さんとゴミ集めをしていたら、ゴミ箱からつり具屋のレシートが出てきて、六四五〇〇円と書かれていました。これを見たお母さんがお父さんにもんくを言っていました。いつもおこる側なのにおこられていました。お母さんはお父さんにはきびしいです。最後にお母さんですが、部屋はありません。いつも何かを書いたり、勉強はリビングでやっています。お母さんはトイレとおふろ以外は一人になることがないことに気づきました。いつも私たちの事をいろいろやってくれるのでとてもかわいそうです。私はお母さんせん用のゴミ箱をつくってプレゼントしました。せん用の部屋はいつかプレゼントしたいです。
 そして二つ目の楽しみのゴミすてです。これはお父さんとお母さんといっしょに行きます。いつもは車で出かけるため、いっしょに歩くことはめったにありません。だからいっしょに歩けるととてもうれしいです。そして、私はお母さんのブーツをはきます。ブーツは歩くとコツコツと足音がします。私のくつではぜったいにならない音です。昼間では音が聞こえませんが、しずかな夜だから聞こえて、この音は大人の音がして大好きです。ゴミを持っていくときは重くて、くさくて、変なしるがつくためビニールぶくろが体につかないように注意します。楽しいのは帰りです。前にお父さんが歩きます。後ろにお母さんと私が歩きます。くつの足音をならしてお母さんか私のどちらの足音かを当てるゲームをします。お母さんらしくくつの音を鳴らすのがむずかしく、お父さんがだまされた時はとても楽しいです。次に家のげんかんのとびらをだれが一番最初にさわれるか競争をします。お父さんはサンダル、お母さんはくつ、私はブーツです。相手をじゃましながらゴールを目指します。
 ごみすては、気づかない家の中の様子が分かります。そしてお手伝いにもなります。また、ふだんできないお父さんやお母さんとの会話や遊びができ、楽しい時間になります。きたない、くさい、めんどくさくていやなごみすてですが、いやだと思っているとずっときらいなままです。私も最初はきたないや、くさいなどのイメージをもっていましたが、少しでもそのことに楽しいことがあると、とても楽しくなります。なので、いやな事から楽しいことを見つけて、だんだん好きになっていくと、楽しみに変わると思いました。これからはゴミすて以外でも、苦手、きらいなことがあれば、ゴミすてを参考にして、どんどんと自分を成長させていきたいと思ったので、みんなもぜひこの作文を参考にしてみてください。

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審査員のコメント

 集めるゴミから家族一人一人の生活の様子を想像したり、家族への自分の気持ちを確認したりする楽しい時間として、ゴミ出しの時間を捉えているあおいさん。生き生きと目に浮かぶように表現されたそれぞれの部屋やごみの様子とともに、あおいさんの家族評がくすっと笑いを誘います。ものの捉え方を変えるとこのように楽しく捉えることができることを、豊かな表現力と確かな文章構成で描ききった前向きで元気の出る作品でした。
crown

受賞者の言葉

(準備中)